森林資源の有効活用による循環型社会の構築

弊社は森林資源の有効活用による循環型社会の構築を目指し、「小規模分散型木質バイオマスガス化熱電併給設備」の開発を進めています。 本設備の大きな特徴の１つは、間伐材などの林地残材の全てを有効に利用できる点です。木質バイオマス発電の多くは輸入材や一般木材を多用するため、林地残材(主に間伐材の枝葉)の活用が進んでいませんでしたが、これらの廃棄物扱いだった様々な木質バイオマスを有効なエネルギーに変換する技術を確立することで、利用を可能にしていきます。 また、木質バイオマスガス化発電における重要課題（熱分解時に発生するガス中のタール処理）についても、当社技術を活用した除去装置を備えているため、常に安定した発電が可能となります。 これにより、全国の山村過疎地、離島など、森林資源の豊富な地域での資源・エネルギー循環につなげていきます。

• 技術・研究・製品の特徴
  
  ①間伐材の全てを有効に利用可能
  外熱式ガス化構造により、枝葉やバーク(樹皮)など廃棄物扱いだった様々な木質バイオマスを有効なエネルギーに変換可能
  ②多量の熱供給が可能
  外熱式ガス化構造により、一般的な木質バイオマスガス化発電設備と比較して約4倍の熱供給が可能
• その技術で世の中の問題がどの様に変化するか
  FIT制度において、2016年度より小規模ガス化発電用に2MW未満（買取価格40円/kW）という区分が新しく設定されたが、林地残材の多くを占める枝葉や道路剪定枝等ガス化の難しい木質バイオマスのガス化技術が確立されていないため、これらは森林から集荷されず放置されている状況である。これら林地残材は植林の妨げや土壌の劣化、豪雨時における土砂崩れや流木の原因となっている。 このような林地残材（特に枝葉）、土場や集荷場で発生するバーク（樹皮）等の廃棄物扱いされている木質系バイオマスを有効なエネルギーに変換し、地域に供給する「コージェネレーションシステム」の確立は、喫緊の課題となっている国内のCO2削減およびエネルギー自給率向上や森林保全貢献への一助となると考える。
• 用途（使用）例または将来的な活用例
  弊社技術により以下の効果が期待できる。
  
  
  【健全なる森林の育成】
  これまで林地残材とされてきた間伐/皆伐材の枝葉や梢端部はその量が膨大であり、植林の阻害要因となっていたが、これらをガス化・エネルギー利用できることにより、全量集木を行うことで健全なる森林の育成に貢献できる。
  【地域活性化】
  設備を設置することで雇用が創出され、また原料の地産地消による資源や資金の地域循環により地域経済の発展に貢献できる。その他公園や街路樹等の剪定枝・刈草を処理することで、自治体の予算を圧迫している処分費の低減に寄与できる。
  【社会貢献】
  再生可能エネルギー利用によるCO2排出量削減効果の他、災害時の非常用電源および熱供給源等エネルギー供給システムとしての利用や災害被災木の処理等、本設備の設置は社会貢献に繋がるものと確信する。