鹿島は「社業の発展を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、社会とともに持続的に成長し、企業価値を向上させるための重要課題(マテリアリティ)を特定しています(図)。鹿島グループは、SDGs達成への貢献をはじめとした社会課題の解決に積極的に取り組むことを通じて、まちづくりや建造物の構築、社会インフラの整備の分野で、品質に優れたサービスを生み出し、提供し、そして検証する仕組みと体制を整備することにおいて、世界で最も評価され、信頼される企業グループを目指しています。
企業サイトへ
CO2-SUICOMは、セメントの半分以上を特殊な混和材(γ-C2S)や産業副産物などに置き換えることで、セメント製造時に排出されるCO2を大幅に削減します。このγ-C2SはCO2と反応することでCO2を吸収し、硬化する性質を持っています。また、γ-C2Sは化学工場にて発生する副産物(副生消石灰)を原料としています。この特殊な混和材をセメント代替として用いたコンクリートを、高濃度のCO2で充満させた槽内に一定期間置く(炭酸化養生する)ことにより、大量のCO2を吸収させることを可能にしました。産業副産物の有効利用によるセメント使用量低減と、コンクリートへのCO2の大量固定により、CO2排出量ゼロ以下を実現しています。
コンクリート分野におけるCO2排出削減のための取り組みに関する業界全体としての取り組みを紹介します。そのうえで、コンクリートの炭酸化によるカーボンリサイクルという新しい概念を取り入れた環境配慮型コンクリート『CO2-SUICOM』の概要を紹介します。
鹿島建設株式会社
技術研究所 土木材料グループ 主任研究員
取違 剛 氏